第1章:なぜPython×Web3による自動売買なのか?

1.1 はじめに

1. 自動売買のメリットとモチベーション

最近はDeFi(分散型金融)を使って資産を運用する手法が注目を集めています。手動でトレードする場合、相場をずっと監視し続ける必要があるため、時間的にも精神的にも負担が大きいです。そこで、プログラムによる自動売買の仕組みを作れば、ヒューマンエラーを減らし、効率よくトレードできるという狙いがあります。

2. 誰でも始められる時代へ

昔は高価な取引所のAPIや専用システムが必要でしたが、今はブロックチェーン上で誰でもスマートコントラクトにアクセスできる環境が整ってきました。さらにPythonという、初心者にも比較的扱いやすい言語が充実したライブラリを提供してくれているため、個人レベルでも高度な自動売買を組めるようになっています。

3. この記事のゴール

本記事では、私が実際に「Python × Web3」を組み合わせて自動売買システムを開発・運用した経験を共有します。目的はあくまで「動くものを作る」ことなので、コードの設計やアルゴリズムはシンプルかもしれませんが、最終的には稼働できるレベルのプロトタイプを一緒に作り上げていきたいと思っています。

1.2 Python×Web3の魅力

1. 開発のしやすさ

Pythonは「コードが読みやすい」「初心者から上級者まで幅広いユーザーがいる」などの理由で人気が高いです。web3.pyなどのライブラリを使えば、スマートコントラクトの呼び出しやトランザクションの送信も短いコードで実装できるため、開発スピードが大幅に向上します。

2. コミュニティの活発さ

Pythonとブロックチェーン、両方のコミュニティが世界的に巨大で、ドキュメントやサンプルコードが豊富です。何かエラーが起きても、Stack OverflowやGitHubで検索すれば大抵の情報にたどり着けるのは大きな強みと言えます。

3. 保守と拡張の容易さ

トレードアルゴリズムや対象とするDeFiプロトコルが変わった場合でも、Pythonコードなら柔軟に修正ができます。また、PandasやNumPyなどのライブラリを組み合わせれば、履歴データの解析や可視化も容易になるため、戦略の改善やシステムの拡張にとても便利です。

1.3 対象とするDeFiプロトコル

1. Uniswap

Ethereum上の分散型取引所(DEX)の代表格です。**AMM(自動マーケットメイカー)**の仕組みにより、常にトークンスワップが可能で、流動性プールを提供することで手数料が得られるのも特徴。シンプルかつ有名なので、まずはここから始めるのがおすすめです。

2. SushiSwap

Uniswapの派生版ですが、独自トークン「SUSHI」を通じて報酬を得られたり、新しい機能を次々と取り入れたりと、積極的に開発・展開を続けています。大手プロトコルの一角として流動性も十分にあるため、実際にトレードや自動化の検証をするのに適した環境です。

3. PancakeSwap

Binance Smart Chain(BNB Chain)上に構築されたDEXです。ガス代が比較的安価で済むのが魅力で、小額からの運用テストには大きなメリットがあります。トークンの種類も豊富で、流動性もある程度担保されているので、イーサリアムよりはるかに少ないコストで自動売買の実験を行えます。

第1章のまとめ

自動売買をする理由:相場監視の負担を減らし、ヒューマンエラーをなくすため。

Python × Web3 の良さ:開発がシンプルで、コミュニティやライブラリが充実している。

主要DeFiの選択肢:Uniswap、SushiSwap、PancakeSwapなどをターゲットに、小額から検証可能。

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